叱らない子育てと放任主義

生活

叱らない子育てと、放任主義は、紙一重の差ではないかと思います。一歩間違えてしまえば、叱らない訳ではなく、放置または問題をそのままにしてしまうことに繋がっていきます。叱らない子育てを勧めるような本やテレビ番組や雑誌などをよく見かけるようになっていますが、「叱らないことがいいことだ」「叱ってはいけない」というような風潮になってきているのが、私は少し不安でもあります。

確かに、親が感情に任せたまま、きつく当たったり、厳しく怒ることは子供にとって、あまりよくはありません。特に負の感情は、下へ下へと伝染していきます。下とは、自分よりも立場が弱い人や、年齢の低い人などです。負の感情は下へと流れていきやすい性質を持っています。

叱りすぎてしまったり、手を出したり、感情的に怒ってしまうのでは子供の自尊心に影響するといわれています。自尊心を育ててあげるために、叱らないで、たくさん褒めてあげて育てましょうというものが叱らない子育てです。

子供達は生まれた時はまっさらな状態です。成長していく中で、まずは親と関わります。そこで、これは○なのかXなのかを少しずつ学んでいきます。親の姿勢をみて学んでいくこともありますが、社会に必要なルールなど、こちらが教えていかなければいけないこともあります。

叱らないことと、放任が似て近しいものだと感じた出来事が今年の初め頃にありました。電車に乗って出かけている時に、4〜5歳頃の男の子と、そのお母さんが途中から乗り込んできました。その日は雨だったので、靴や傘は、みんな濡れています。そんな中、空いている席に親子で座られました。お子さんは外が見たかったようで、靴を履いたまま後ろ向きに座っていました。

雨で靴が濡れているようなのに、その男の子のお母さんは注意するわけでもなく、お子さんの方を全く気にしない様子でスマホ画面をずっと見ていていました。男の子のお隣に座っていたご婦人が、「靴は脱ぎましょうね」とお声をかけてくれて、男の子はちゃんと靴を脱いで外を見ていました。

ただ、男の子のお母さんから、そのご婦人への、すみませんや、ありがとうございますなどのお声掛けはありませんでした。見ているこちらもなんとなく歯がゆいと言うか、なんとも言えないような気持ちを抱いていました。たった一言伝えるだけでも違うのになーとか、気づいてないのかなーと私がモヤモヤしている間に、その親子の降りる駅が次になったようです。

男の子に靴を履きなさいとお母さんが促し、その後は降りる直前まで、その声をかけてくれたご婦人に対し、文句を言い始めました。「すぐ降りるから靴くらいいいじゃないですか」「うちの子育てに口出しをしないでください」そんな内容だったと思います。止めに入ろうかと思ったときに、駅に着き、そのお母さんは、舌打ちをして降りていきました。

初めての光景で、目を疑いましたが、この一連の流れが見ていて気分のいいものではなく、ただただ驚きました。こういう人もいるのだなと感じながら、やはりルールを教えるという行動は親の役目でもあるのではないかと思いました。席に座る前に、外を見るときは靴を脱ごうねと、ルールを伝えてあげて、学習させてあげることも必要だと思います。

ママ友さんとお話ししていると、子供に嫌われたくないから叱れないなんてお話ししてくれる方もいます。嫌われたくない一心で、叱らなくてはいけない場合でも強く言えないと悩んでいらっしゃいました。

叱らない子育てと、「叱れない」こともまた違う問題になってきます。今度は、「叱れない」ことについて書いていこうと思います。

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