子育てをするにあたって大切なものとして、愛情を挙げる方が多いです。育児について書かれた本にもそのように書かれている本が多いです。愛情をもって子供と接することによって、子供も安心して成長していくことができるとされていますし、愛情が大事だと思っている方も多いです。私も、愛情は大事だと考えます。
では、その愛情を子供に伝えるには、どうしたらいいのでしょうか?愛情を感じているだけでは、伝わりきらないと思いますが、多くの育児本などでは伝え方を教えてくれていません。言葉で伝えてあげる、抱きしめてあげるなど、伝えていく方法は、母性を使っていく手段が子供にも伝わりやすいと思います。
母性を使うとは、子供を包み込む優しさのようなものだと私は思います。ママ、だっことか、ママ、あれしてこれしてとかの子供の甘えた要求は、時と場合にはよりますが大体はかわいいものだと感じますし、私を頼りにしてくれてきている小さな存在はとても愛おしいものです。
甘えてきてくれない子や、こころを開いてくれない子へはあまり可愛いと感じないと思います。知り合いの子でも、やはり子供らしく甘えてきてくれる子はかわいいなと感じますよね。
実は愛情を伝えていくには、子供側からの甘えが必要になってきます。それは、子供側の方から、愛情を求めるアクションです。甘えがあるからこそ、甘えられた側はかわいいなと思い、愛情を伝えていくことができます。
親から、自分の甘えを受け止めてもらったときに、子供は自分を大切にしてもらえている。自分は大切な存在なんだと自己肯定感が育まれていきます。
まずは、こちらが甘えを受け止めてあげる姿勢をもつことが必要です。何度も甘えを受け止めてあげて、子供時代の甘えを大切にしてあげましょう。甘えと愛情は、2つセットで表裏一体です。どちらかが欠けていては、お互いの気持ちがうまく伝わらないと思います。
私がカウンセリングの仕事をしていたときには、依存に悩む方も多かったことを記憶しています。必要以上になにかのモノや、人や、出来事に固執してしまうことを言います。買い物や、ゲーム、スマホ、恋愛、仕事、過食など、いろいろな対象があります。私がお話しを伺ったのは、買い物がとめられないという女性でした。
買うことに目的があって、洋服などでも、購入しても一度も袖を通さず、一度も袋から出さない状態で、部屋にたくさん袋のまま積み重なっていたそうです。ご自分でもわかっていても買うという行為が止めることができず、とても苦しんでおられました。
お話しを聞く間に、愛情不足が関係しているような印象を持ちました。長女さんで、下の子が産まれてから、親に上手く甘えられなくなり、満たされない気持ちが、ずっとあったようです。
買い物をすることで一時的に気持ちを満足させられるという成功体験から、何度も何度も、買うという行為をして満たされない気持ちを満たそうとしているようでした。健康を害するようにならないためにも、大人も甘えが必要だということです。
人間関係が希薄になっていたり、近所同士の関わりがないような現代では、孤独になりやすいです。当然、誰かに甘えることができないですし、甘え方がうまくできず、つらくなってしまいます。
甘えることは、人への信頼と思いやりを育むことにつながっていきます。夫婦の間や、友達、会社の同僚など、甘えられる場所を上手く活用していきたいですね。
人は一人でできることは限られています。無理をせずに、人に頼って甘えて、助け合いながら生きていく術を子供たちには伝えていきたいですね。